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一時的置き場
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 アヒルの親子をしばらく眺めてから、麻生は幼子をミニ電車に乗せてやったりした。だが、ある場所で幼子は足を止めた。
「おにいちゃん、おばけやしきはいかなくていいの?」
「……!」
 お化け屋敷の前で問い掛けてきた幼子に麻生は固まる。敢えて避けていた場所であったし、幼子には気付かせないようにしていたのだ。
「ち、ちびが怖いかと思ったから、行かなくてもいいんだ」
「そうなの?」
 幼子は不思議そうに麻生を見上げてくる。
「ちびは行きたいのか?」
 麻生の問いに幼子はぶんぶんと首を振る。
「せいおにいちゃんとゆうえんちにいったとき、あさきおにいちゃんはおばけやしきがだいすきだから、いっしょにいくといいよって、いってたの。むぎ、おにいちゃんにきょうはたくさんたのしくしてもらったから、おにいちゃんにもたのしんでもらいたかったの」
 可愛らしくも殊勝な幼子の言葉には嘘はない。それはいいとして。
(一宮の野郎……)
 帰ったら、聞きただす…そう固く誓う麻生であった。
「兄ちゃんはいいよ。ちびが楽しいのが一番だからな」
「いいの?」
「いいんだよ、さ、次は汽車に乗ろうな」
「うん!」
 話題がうまく逸れたことに安堵しつつ、『きしゃ~』と嬉しそうにはしゃぐ幼子の手をとって、次の目的地に向かった。
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 メリーゴーランド、コーヒーカップ。子供向けのジャンボ滑り台。とりあえずは周ってから、ジュースを飲みながらの休憩時間。
「結構、疲れんな……」
 幼子一人に乗せるわけにはいかず、ふだんは乗ることない乗り物に乗るはめになった麻生は一息つく。
(まぁ、誰に見られたわけじゃないから、いいけどよ……)
 天変地異でも起きない限り、メリーゴーランドに乗ることなどないと思っていたが、幼子を一人で乗せるのは…と係の人に言われ、乗るはめになった。
(間違っても一宮には見られたくないけどな……)
 瀬伊に見られようものなら、何を言われるか及び、どんないたずらと言う名の洒落にならない行動に及ばられるかわかったものではない。
「おにいちゃん、あひるさん~」
 そんな麻生とは裏腹に幼子は池で泳ぐあひるの親子をみるために、柵から実を乗り出すような体勢になる。
「ちび、危ないから身を乗り出すな!」
 慌てて、麻生は幼子を抱き寄せた。
「ちび、危ないだろ!」
「…っ」
 麻生の怒声に幼子はビクンと身を竦ませる。おびえた様子の幼子に麻生は頭をかいて、幼子の目線の高さに合わせてしゃがみこんだ。
「悪ぃ、怒鳴っちまって。でも、危ないからな。池に落ちたりして、ちびに何かあってからじゃ遅いんだ」
 幼子に分かるようにゆっくりと瞳を見据えて告げる。
「しんぱい……?」
 あどけなく問い返してくる幼子に麻生は大きくうなずく。
「ちびが大事だから。ちびに何かあったら、俺も他の兄ちゃんたちも悲しむぞ?」
 むぎが倒れて入院した旨を書かれたメモを見た時に背筋が凍り付いた気がした。だからこそ、麻生だけでなく、他の同居人たちも幼子には過保護になりがちなのだ。
「……ごめんなさい」
 きゅっと小さな手が麻生の手を握った。
「ん。わかってくれたらいい」
 気分を吹き払うように幼子の頭をくしゃくしゃとなでてやると、幼子は嬉しそうに笑った。
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「そういや、ちびは行きたいとこあるか?」
 用事はなくなったので、今日一日は幼子に付き合ってやれる麻生はまず希望を聞いてみるが、幼子はうーんと迷う顔になる。
(あ~、外に行きたいってだけで、飛び出したんだな……)
 それこそ、近所の公園で遊ぶことでもよかったのだろう。だが、せっかくだから、楽しんでもらいたいのも事実。幼子には楽しい思い出をなるべく与えたいのだ。
「じゃあ、兄ちゃんと遊園地に行くか?」
「ゆうえんち?」
 麻生の言葉に幼子の顔がパッと輝く。
「いく、いきたいの!」
 一生懸命に伝える幼子の頭を麻生は優しく撫でてやる。
「じゃ、行くか」
「うん」
 嬉しそうに笑う幼子の手を取って、麻生は駅まで向かった。
「でんしゃ~」
 電車に乗った時点で、幼子はきらきらした瞳になる。
 日中なので、それほど混んではおらず、麻生と幼子は座ることができたが、幼子の興味は電車からの車窓のようで、ちらちら後ろを見ようとしている。
「ちびは電車が好きか?」
「むぎ、あんまりでんしゃにのったことないの。いつも、おとうさんのくるまでおでかけなの」
「そっか……」
 家に車があり、まだ行動力がない子供なら、電車に乗る機会はあまりない。だからこそはしゃいでしまうのだろう。
「靴を脱いだら、見てもいいぜ」
「ほんとう?」
「ああ。靴を履いたままだと、他の人の迷惑になるからな」
「うん!」
 いそいそと靴を脱いで、幼子は窓の外の景色に魅入られる。ふだんは見ることのない光景に歓声さえあげて。
「ちび、他のお客さんがうるさいかもしれないから、もうちょっと静かにな」
「はぁい」
 麻生の返事に可愛らしく返事をしても、幼子は外の景色から目を離すことはなかった。
 そうして、電車に揺られてたどり着いた遊園地。電車を降り、駅の改札を通過する頃には幼子は完全に浮き足だっていた。
「あさきおにいちゃん、はやく~♪」
「チケット買うまで、待てってば……」
 幼子のはしゃぎ振りに苦笑しつつ、入場チケットを購入して、麻生は幼子と共に遊園地の門をくぐった。
「ちびは何がいい?」
「メリーゴーランド!」
「…だな」
 ジェットコースターを始めとする絶叫系は幼子の年齢的には無理な話で。無理でなくても、怖がって泣かれてしまう可能性が高い。
「むぎ、カモノハシさんとばしゃにのりたいの~」
「じゃあ、行くか」
 まずは幼子の希望を叶えるべく、麻生はメリーゴーランドに向かった。
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