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一時的置き場
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「で、じいさんってのは学園長かよ……」
 このどちらかに預ければいいのだが、生憎、今は授業中で。瀬戸口は何とかなるが、学園長だと色々とまずい。
「携帯か何か持ってるか?」
「うん。かずやおにいちゃんがむぎのって」
 九条の問いに幼子は頷いて、ポケットから携帯を取り出した。
「子供用携帯じゃねえんだな……」
 見るからに最新機種のそれはGPS機能はしっかりついてはいる。
「どれ……」
 携帯を受け取り、確認しようとして、開いて見たら待受画面には仲の良さそうな家族が移っていた。
(こいつの親……?)
 両親に囲まれた仲の良さそうな姉妹。一人は幼子でもう一人は姉なのだろう。
(本当に鈴原の子じゃねえのか……)
 どこか、不思議な安堵感を覚える。
「おにいちゃん、どうしたの?」
「何でもねえよ。で、“おにいちゃん”もやめろ」
 御堂一哉や一宮瀬伊をそう呼ぶのなら、後の二人のラ・プリンスも同じなのだろう。彼らと同じように呼ばれたくはなかった。
「じゃあ、なんてよぶの? むぎ、おにいちゃんのおなまえしらないもん」
「九条…九条陸、だ」
「りっくん?」
「……。“九条くん”だ」
「くじょーくん……」
 舌ったらずに語尾を延ばして、自分の名を呼ぶ幼子に何とも言えない気分に陥る九条だった。

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「おにいちゃんもようせいさんなの?」
「……は?」
 幼子の問いに九条はらしくもなく固まった。
「どう見たら、俺が妖精に見えるんだ?」
 子供のいうことだ…と思いつつ、誤解は解いておきたいのも本音で。御相手は堂一哉が預かる子供なのだ。下手な誤解を招いて、彼の耳に入れたくはない。
「だって、むぎがおいかけられたひとのことわかったんだもん」
「それだけでか?」
「せいおにいちゃんはようせいさんだから、むぎのことなんでもわかるんだよっていってたの。おにいちゃんもようせいさんだからわかったのかなって……」
「今度は一宮かよ……」
 祥慶学園の妖精と称されるラ・プリンスの一人の名に九条は顔をしかめる。学年が違うこともあり、あまり接することはないが、外見に反して、一筋縄ではいかない何かを感じて仕方ない。
「生憎、俺は妖精なんかじゃねえよ」
「ん~。わかったの」
 九条の言葉に幼子はコクリと頷いた。そんな会話をしているうちに幼子の涙は止まっていた。
(しかし、どうするか……)
 ここで見捨てて行ったら、また泣いてしまうだろう。それは後味が悪い。鈴原むぎをの顔がちらついて離れないのだ。
「仕方ねえなぁ……」
 自分のガラではないが、とりあえずは幼子を安心できる場所に連れて行くことにした。
「で、いつもはどうしてんだ?」
「わんわんとあそんだり、おじいちゃんがみにきてくれたりしてる」
「わんわん?」
「せとぐちのおじちゃんもいっしょなの」
「あぁ、マキシモ号な……」
 番犬であるあの犬をそう呼べる目の前の幼子はある意味大物なのかもしれない。
(そう意味ではあいつみたいだな……)
 妙に納得してしまう九条であった。
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「何なんだよ……」
 授業がつまらないからと、さぼってみれば、泣きじゃくる幼子に出くわして、九条は困惑する。
(確か、御堂が鈴原の親戚の子を預かったとか言ってたな……)
 臨時の生意気な美術教師が倒れてしまったと聞いたのはつい先日の話だ。彼女が預かっている子供を一哉が学園に連れて来ているとは聞いていたが、九条が幼子本人を見たのは初めてだった。
「何、泣いてんだよ……」
 声を掛けて見ると、幼子はおどおどと九条を見上げた。
(ち、あいつそっくり……。つーか、あいつの子供じゃねえのか?)
 鈴原むぎの親戚の子供だと一哉が言ったことでみんな納得しているが、23歳という年齢的に彼女が産んでもおかしくはないと九条は思う。(むぎの本当の年齢を知らないのだから、無理はないのだが)
「ここ、どこ……?」
「はぁ? 自分がいる場所がわかんねーのか?」
 九条の言葉に幼子はビクッと身体を震わせ、シクシクと再び泣きじゃくり始めた。
(だから、ガキはやなんだよ……)
 内心でそう毒づきながらも、何となく放って置けない。
「おい、泣いてたら、俺はわかんねーぞ。なんでこんなとこにいるんだ?」
「しらないひとにおいかけられたの……。むぎ、こわくてにげたら、しらないところにいたの……」
「追いかけられた?」
 問い返す九条に幼子はコクリと頷く。
「いくらなんでも変質者はこの学校にはって……」
 良家の子女を預かる学園であるわけだから、外部からの警備はそれなりにはされている。だが、内部の人間ではそうもいかない。
「そいつ、ソウルメイトとか、先生とか言って追いかけてこなかったか?」
 九条の言葉に幼子は不思議そうに彼を見上げた。
「おにいちゃん、どうしてわかったの?」
「ビンゴかよ……」
 むぎがいた頃から何かにつけて、彼女を追いかけ回していた体育教師の山本が、彼女のミニチュアそのもの(実際は本人の幼いころの姿であるが)の幼子に関心をもたないはずがない。
(そりゃ、逃げるだろう……)
 一人納得する九条を幼子は不思議そうに見上げた。
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