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一時的置き場
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「こむぎちゃん、少しきつく締めるけど、我慢してくれるかな」
「わかったの」
 依織の言葉に幼子は頷く。その間にも依織の手はてばやく幼子に着付けていく。
「はい、できた」
「むぎ?」
 ようやく着付け終えた依織は満足そうに微笑する。
「むぎ、テレビにでてくるひとみたい~」
 鏡に写った自分の姿に幼子は瞳を輝かせる。
「テレビにでてくる人?」
「うん」
 幼子のいうところのテレビに出てくる人が誰なのかは思い浮かばないが、喜んでくれるのでよしということにする。
「おにいちゃんたちにみせるの♪」
「そうだね。着崩すといけないから抱っこしてあげよう。おいで」
「はぁい♪」
 依織に抱き上げられ、幼子はリビングに運ばれた。
「おにいちゃん、むぎ、きものなの」
 依織に降ろしてもらうと、幼子は三人に嬉しそうに着物を披露する。
「似合うじゃん、ちび」
「えへへ」
 照れくさそうに笑う幼子が可愛くて頭を撫で舞わしたい気分になるが、せっかくセットした髪が乱れたら、依織に掴み掛かられてしまう。ある意味、家主よりも恐ろしい。
「こむぎちゃん、可愛い♪」
「むぎ、かわいい?」
「うん。このまま、僕とデートしようね♪」
 そう言って、瀬伊は幼子を抱き上げる。
「一宮、正月から通報されたいか?」
「うるさいな、一哉は~。こむぎちゃん、一哉にも見せておいでよ。あれ、やってくれるかもしれないよ」
「うん!」
 期待に満ちたまなざしで瀬伊の膝から降りた幼子はとてとてと一哉の元に。
「おい、一宮。むぎに何を吹き込んだ?」
 いい予感がするはずもなく、瀬伊に聞いてみるが、瀬伊はふふ…と笑うだけ。
「かずやおにいちゃん、どうしたの?」
 あどけなく見上げてくる幼子に罪があるはずもない。
「何でもない……。松川さんのみたてはさすがだな。似合ってるぜ」
「ありがとう。あのね、むぎ、かずやおにいちゃんにおねがいがあるの」
「お願い? 言ってみろよ」
 甘えん坊ではあるが、滅多にわがままを言わない幼子の願いなら叶えてやりたい。そんな一哉に幼子は無邪気に言った。
「かずやおにいちゃん、あとでぐるぐるやってくれる?」
「ぐるぐる?」
「テレビできものをきてたおねえちゃんがぐるぐるしてもらってたの♪」
「……おい」
 着物を着た若い娘がぐるぐるされるというのは、時代劇の悪代官がよくやるとされるアレであろう。
「だから、テレビに出てた人みたい、か……」
 幼子の言葉の意味を理解し、依織は納得した顔になる。
「一宮、こいつに何を吹き込んだ……」
 押し殺した一哉の声を気にすることなく瀬伊はしれっと笑う。
「え~。こむぎちゃんと時代劇見ただけだもん~」
 ねー♪と幼子に同意を求める瀬伊の背中に悪魔の羽がぱたぱたとしているのが見える気がする麻生であった。
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「こむぎちゃん、いいものをあげよう」
「なぁに、いおりおにいちゃん?」
「手を出してごらん?」
「うん♪」
 瞳を輝かせて手を差し出す幼子の手に乗せられたのは色鮮やかな縮緬で作られた小さなお手玉だった。
「これ、なぁに?」
「お手玉だよ? やったことない?」
 依織の言葉に幼子はコクリと頷く。
「こうやって遊ぶんだよ」
 幼子の手に載せたのとは別のお手玉を数個取り出して、依織はお手玉を使い始める。色鮮やかなお手玉が宙に交互に舞う様子に幼子は瞳を輝かせる。
「いおりおにいちゃん、すごーい」
「こむぎちゃんもやってみるかい?」
「むぎ、できるかなぁ……?」
 再び手に載せられたお手玉を見て、幼子は眉間に皺を寄せる。
「大丈夫、僕が教えてあげるから。まずは、こうやって……」
 幼子の前で見本を見せてみる。
「やってごらん」
「うん!」
 依織に言われたとおりにやってみるが、最初はなかなかうまくいかない。だが、何度かやっているうちにタイミングが掴めたのか、たどたどしくではあるが、お手玉が宙に舞い始めた。
「できた~♪」
「うん、上手だね」
 そう言って、依織が幼子の頭を撫でてやると、幼子は嬉しそうに笑顔を浮かべた。
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「候補生制度ってさ…なんかマリみてっぽくない?」
「あんた、その連想はかなり間違ってるよ」
「え~。遊楽院さんと候補生の二人を見てたら、なんか、そんな感じっぽくない?」
「あ、見えないこともない、か……」
「綺麗どころの組み合わせは眼福だと思うんだけど……」
「まぁ、ある意味、師弟制度の世界だしね」
 むぎの言わんとするところを理解する辺り、流石は親友である。
「でも、すずだって、そのうち、引っ張り出されるんじゃない?」
「それはないよ~」
 夏実の言葉にむぎはカラカラ笑うけれど、実はそういう話もないことはなかったのだと、夏実は十和子に聞いている。むぎの行動力や性格のよさ、そして、ラ・プリンスたちとの仲のよさもあり、生徒会役員に…という声もあったらしいが、全盛と会長である御堂一哉がむぎのこれまでの立場の大変さから、今は避けるように言い残したのと、やはり、むぎの環境の変化が激しいことを気遣った学園長が気遣ったため、話が流れたという。
「でも、そうしたら。あんた、誰の妹がいい?」
「え~。考えられないかも……」
「あんた、自分で話振っといて……」
 呆れる夏実であったが、その先の言葉を言う前に……。
「じゃあ、僕の妹でいいじゃない」
「きゃ?」
と、いきなり現れて、むぎに抱きつく瀬伊に絶句してしまうことになった。
「おい、一宮、何やってんだよ!」
「うるさいの。羽倉。妹は早い者勝ちだよ?」
「何が妹だ!」
と、麻生も現れて、にぎやかなことになってしまう。
(この人たちがいる限り、むぎはやっぱり注目の的になるんだろうなぁ……)
 思わず遠い目をしてしまう夏実なのであった。
 
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